うつとお酒

うつや自律神経失調症の方は、砂糖やカフェインを摂取しない方がいいというのは何度かお話ししておりますが、では、お酒はどうなのか?ということを本日はお伝えします。


まず、心身共に健康である方の飲酒に対しての生理的心理的反応は...

  • 適量だと心身共にリラックス効果が生まれる。
  • 過度だと心身ともにストレスを感じる。


この反応はうつの方でも変わりませんが、うつの方の多くは薬を飲んでいるのでお酒は問題になることもあります。


特に不眠症があり睡眠薬を飲んでいることも多いのですが、睡眠薬とお酒を一緒に飲むことは厳禁と言われています。


なぜなら、死に至ることがあるからです。


睡眠薬は、簡単にいうと脳の大脳新皮質を麻痺させて、眠れるようにします。

一方、お酒も大脳新皮質がマヒしてきます。


そのため、いつも背負っている役割や「ねばならない」を感じにくくなるため、リラックス出来るのです。


それが行き過ぎて男性はエロくなったりもします。笑


しかし、お酒と睡眠薬を一緒に飲むと、大脳新皮質だけでなくその奥の辺縁系や脳幹まで麻痺してしまいます。


脳幹まで麻痺すると大変なことになります。

脳幹は、心臓や呼吸をコントロールしているので、麻痺すると心臓が止まったり呼吸をしなくなってしまいます。


これは睡眠薬を大量に飲んで自殺をはかる時も同じです。


睡眠薬が多すぎて、脳幹まで麻痺してしまうのですね。


睡眠薬を飲まなければ飲酒していいのか


では、うつの方は睡眠薬を飲まなかったら飲酒はいいのか?


そのような疑問に答える研究成果があります。


シドニー大学が研究したところ、うつの方が過度の飲酒を続けると学習能力・記憶力・精神的柔軟性が低下すると報告しました。


まぁ健全な人でもそうだよね、という報告ですが、今までこのようなうつと過度の飲酒についての研究結果がなかったようで、それなりに評価を得ているようです。


では、うつの方でも過度じゃなければ飲酒はいいのか、ということになりますがどうでしょうか?


先ほどお伝えしたように、適量だと心身ともにリラックスできるので一見よさそうですが、これも先ほどお伝えした通り、大脳新皮質がマヒしてくるため、自制が効かなくなりやすくなります。


「つい、もっと飲んじゃお」と飲酒が過度になること多いです。


リラックスをするのはうつ病の方にとってもいいのですが、お酒では自制が効かなくなり過度の飲んでしまうことになる。


ではどうする?



お酒以外でリラックスする方法を探す


答えは簡単で、お酒以外でもリラックスできればお酒に頼る必要はなくなります。


例えば、心が緊張している方は体も緊張しています。

つまり、筋肉が緊張しています。


これを解きほぐすだけで体だけでなく心もリラックスは得られます。


また、体の緊張は感情を我慢することで起こることも多いので、感情を出すことも大切です。


患者さんの中で、日記を書いて自分の思いを外に出しているという方がおりますが、このようなことも一つの方法です。


更に感情を出すには動きや声があるといいのです。


そのため、自分のお気に入りの歌や自分の状況とマッチしてる歌などをカラオケで大きな声で歌うのもいいでしょう。


この時、つい体が動いてしまうようになるので、照れずにその動きを行ってみて下さい。


これは心身ともに健康な方でもストレス発散になりますが、うつの方は体力がない方が多いので、これをやるとぐったりと疲れることがあります。



しかし、ぐったり疲れもこのように感情を出した方がいいので自分のスケジュールを考えながらやってみるのも一つの方法です。


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